オーストラリアで救急車を利用する値段は15万円 !? 実際に患者として搭乗した私が調べた豪州の救急車費用の実際

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実は私、日本でもオーストラリアでも救急車のお世話になった事があるんです。

幸いにも命に別状はありませんでしたが、もし救急車が来なかったら、と考えるとヒヤリとします。

そんな有り難い救急車の存在ですが、元救急隊員で現在オーストラリアでバリスタをしているTabikuraさんのブログ記事を読みました。

日本では不適切な救急車の利用が多発しているとの事。

【参考リンク】 元救急隊員が教える、救急車が適正利用されるために、みんなが知っておいたほうが良い3つのこと

じゃ、オーストラリアではどうなのか? 実際にオーストラリアで救急車のお世話になった私が、そこらへんの事情を調べてみました。

オーストラリアの救急車関連のニュースを調べてみると、不適切な救急車の利用は問題になっていているようですね。興味深いのが農村部では救急車の不適切利用が少ない、という事。(英語ニュース記事

救急車が有料であれば、不適切利用は少ないのでは?と思っていましたが、そんな事はないようです。だったら費用が高ければどうでしょう?

不適切利用以外にも、救急士の激務や薄給も問題になっていて、2009年には救急隊員がストライキを敢行しました。(英語ニュース記事

日本では無料の救急車サービス、オーストラリアではどうなのか。今回はオーストラリアにおける救急車の費用事情をお伝えします。

なお、費用等は2017年7月現在の情報で為替レートは書いた日のもので概算してあります。金額、条件等は常に変動する事がありますので詳細は必ずソースで調べて下さいね。

オーストラリアの救急車は有料

Ambulance Victoria Mercedes (014) paramedic at St Kilda Junction, 2013.JPG
By LiamdaviesOwn work, CC BY-SA 3.0, Link

オーストラリアには国民保険の制度はありますが、その中に救急車の利用は含まれていません。つまりは救急車を呼ぶたびに実費がかかるという事。

救急車が有料であるにも関わらず、不適切利用が多いのは、それだけ一般の人が「どのレベルの症状なら救急車を呼んだ方が良いのか」という判断が正しくなされていない、という言い方もできますよね。

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オーストラリアの各州にある救急団体

Pel-Air (VH-VAE) Beechcraft B200C King Air, under contact for Ambulance Victoria, at Wangaratta Airport.jpg
By YSSYguy at English Wikipedia, CC BY-SA 3.0, Link

オーストラリア各州には救急団体があり、そこが救急車を運営しています。「各州が運営している」という事は組織が違うので、利用した際にかかる費用も異なっています。また、複数の団体が存在する州もあります。

ここで各州の救急車を呼ぶのにかかる費用をみていきましょう。

ニューサウスウェールズ州(NSW)

この州にはシドニーがあります。オペラハウスやハーバーブリッジが有名ですね。

たとえば日本からの観光客が救急車に乗ったとします。まず救急車に連絡して来てもらう時点で63,500円($714)発生します。それ以降は1キロ移動するに付き580円($6.44)

意外に思ったのは、救急車であっても、飛行機、ヘリコプターであっても同一の値段な事。

NSW州の住民は上の金額の、全て半額で適用されます。更には54万円($6,095)の上限付き。何と良心的(?)

情報ソース:Ambulance Service of NSW

ビクトリア州の救急車費用

私が住んでいるメルボルンはビクトリア州にあります。費用形態はNSW州とはまた異なっています。

  • 救急車(都心部)105,000円($1,174)
  • 救急車(農村部)154,000円($1,732)
  • 飛行機 185,000円($2,082)から
  • ヘリコプター 93万円($10,475)から

ヘリコプターはべらぼうに高いですね。アウトドアが好きな私としてはビクッとする金額。ロッククライミングをしに行って怪我でもして救急車を呼んだらそれで15万円! Uberとは比較にならない値段ですね。

情報ソース:Victoria Government Health.vic

クイーンズランド州の救急車費用

クイーンズランド州(QLD)といえば、サーファーズパラダイス、グレートバリアリーフ、ブリスベンにケアンズ、ワーホリさんが働くファームが多い場所ですね。

この州にお住まいのあなた!おめでとうございます!あなたの場合、救急車費用はQLD州が持ってくれます。もしあなたが他の州にいて救急車が必要になった場合でもQLD州に請求書が回せます。なんと太っ腹!

ただし!これには落とし穴があって「permanent resident of Queensland」という表記があるので、クイーンズランド州に定住して言えるという証明がないと認められないようです。定住者でない場合は請求書が回ってくるようです。(費用詳細不明)

情報ソース:Queensland Government

タスマニア州の救急車費用

タスマニアは自然あふれる州で、愛らしいけど鳴き声が怖いタスマニア・デビル(上の画像)がいることで有名です。

この州はQLD州と同じく、タスマニア州の住人であれば救急車の請求書は州が肩代わりしてくれます。しかも他の州で救急車を利用した場合でもOK。(ただしSA州とQLD州は除く)

旅行者がタスマニアで救急車を利用した場合の費用の詳細は記載がありませんでした。

情報ソース:Ambulance Tasmania

ウェスタンオーストラリア州(WA)の救急車費用

オーストラリアの西海岸、パースや真珠で有名なブルームのあるWA州。この州の救急車はSt. John Ambulance Service という組織が運営しています。

パースに旅行して救急車が必要になったら84,000円($949)支払うご用意を。

ソース:St. John Ambulance

まとめ

いかがでしたか? オーストラリアの中でも、自分が住んでいるビクトリア州の救急車費用が高いのには驚きました。州による値段の違いはあれど、高い事には変わりありません。そこで注意してほしいのが;

1.旅行者は保険に入っておく

日本から海外旅行でオーストラリアに来る場合、シッカリと保険に入っておきましょう。

2. 豪州在住者は自分の州の条件を知っておく

タスマニアとクイーンズランドに在住してらっしゃる人は恵まれていると思いますが、その他の州の在住者は任意保険(Medibank Privateなど)に加入し、かつ、その保険がAmbulance Coverも入っているかを確認しましょう。

保険によっては救急車の費用をカバーしてくれません。「そんなバカな!」と思いますが救急車カバーが含まれていない保険もあるんですよ!

最後になりましたが、オーストラリアの救急ダイアルは「000」番です。もし携帯電話がロックされている状態でも「112」に掛けると緊急ホットラインに繋がりますので覚えておきましょう。

それではまた!

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