「忍耐強くなるための秘訣」をオージーのおまわりさんに教えてもらった話

2018年1月21日

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あなたは警察の世話になったことがありますか?

私は小学生の頃、お財布をなくしてしまい、とぼとぼ交番まで歩いて行ったのを覚えています。ラッキーなことに後日、そのお財布はそのままの状態で見つかりました。交番に届けられていて。

さて、先日は思いがけずオーストラリアで交番に行く機会がありました。

その時におまわりさんに教えてもらったことが非常にためになったので皆さんとシェアしたいと思い、記事に書きました。

それでは行ってみましょう。

交番で待つ。ひたすら待つ。


馳せ参じたのはメルボルン中心街にある交番。フリンダースステーション駅から歩いて数分の場所にあるんですよ。

中心街にある交番だから、さぞ大きいのかと思いきや受付にいる人はたった1人。

既に5~6名が列を作って順番を待っています。

交番に来ている人の共通点


私の前に並んでいる人は何やら難しい顔をして腕をぎゅっと組んで前をじっと見つめています。

そうかと思えば後ろに並んでいるガタイのいいお兄さんは息も荒く狭い場所ながらも行ったり来たり。今にもそこら辺のものを壊し始めそうな勢いです。

さらにその後ろに並んでいたカップルは書類を握り締めていたのですが「証明書類のサイン等は午後6時以降です」と警察官に言われてスゴスゴと帰っていったり。

私自身は携帯をいじりながら平静を装っていましたが、内心はソワソワ。

この時、はたと気がついたのが、自分も含め、ここにいる人全員は「幸せじゃない理由で集まっている」人たちなんだなという事。

待っている間にも「1ブロック先のハンバーガー屋さんで暴れている人がいる」と駆け込んできた男の人がいたり、ドラマさながらの展開でした。

受付の警察官は、一時的に2人に増えたもののすぐに引っ込んでまた1人に。どんどんと時間が流れてゆきます。

自分はともかく、後ろに並んでいるガタイのいい兄ちゃんが暴れ出さないかちょっとドキドキしながら列で後ろは振り返らならないようにしてました。

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おまわりさんに訊いてみた

そしてやっと順番が回ってきて、手続きが始まります。

対応してくれたのは初老のおまわりさん。胸のバッジにはSenior Sergeant(巡査部長)と書いてありました。

こちらの事情の説明を一つ一つ丁寧に聞いてくれました。事情が特殊なこともあり、こちらの英語が十分に伝わっていなくても、しっかりと聞き返して話を噛み砕いて説明してくれていました。そんな事もあって書類作成には相当時間が経過してました。

長々とかかった手続きもようやく終わり、お巡りさんとは笑顔で握手。これで帰れる、となったとき、ふと湧いた疑問をおまわりさんに投げかけてみました。

「書類作成も大変だしアンハッピーな人たちと毎日接しなきゃいけないし、大変な労働環境だとは思うんですが、どうやったらそんなに忍耐強くなれるんですか?」

おまわりさんはニコリとほほえんで教えてくれました。

「私は勤続年数も長いし、書類も毎日たくさん作っているけど、ここに来る人にとっては初めての体験だということを忘れないようにしているよ。こちらからすれば慣れた作業でも、ここを訪れる人は初めてで、怒ったり悲しんだり気が動転しているかもしれない、だから『初めての事である』ということを忘れないようにしているんだよ。」

なるほど! 繰り返している中で、いつの間にか「当たり前」になってしまう事ってありますよね。それによって忘れてしまいがちな初心。そこにこそ忍耐強さの秘密があるんですね。おまわりさんの言葉だけあって重みがあります。

まとめ

帰りの道中も、ずっと初老のおまわりさんの言葉を考えていました。

果たして自分はどれだけ初心を忘れずにいるんだろうか。「初志貫徹」という言葉がありますが、なにをするにつけ、自分を戒めるのに必要な言葉だなと感じましたよ。

あなたの初志はなんですか?

それではまた!

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