グラフィティアートを見る。スコトーマを外せる。世界が広くなる。

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前回の記事に続いてグラフィティアートにまつわるお話です。
前回はアート達の魅力についてお話ししましたが、今回はそれらを活用してスコトーマを外そう!の巻です。

スコトーマとは?

スコトーマとは心理的盲点の事。目に見えていても気が付かない部分がその盲点です。

たとえば、メルボルンに住み始めた頃にはただの街並だったのに、カフェに興味を持ち始めた途端、あっちにもこっちもカフェがある事に気が付くじゃないですか。当然、それらのカフェは私の目に入っていたはずなのですが、脳が勝手にフィルターを掛けて自分には関係のないと思われる情報をシャットアウトしていたんですね。逆に、オーストラリアに旅行しようと決めた途端、新聞の旅行のチラシが目に入ったり、テレビを付ければオーストラリア特集をしていたり。そういった経験、ありませんか?

事象は変わっていないはずなのに認識のせいで意識に入って来るものが全然違います。

スコトーマがあると何が困るの?

本当は目の前にあるものでも、心理的に情報をシャットアウトしているために気が付く事が出来ません。仮に、日々の生活をより豊かにしてくれるであろう物事が目の前にあっても気が付かないまま過ぎ去ってしまいます。それって何だかもったいないと思います。ちょっとした事から人生を変える様な衝撃的な出会いまで、ワクワクする様なチャンスが増えるのって素敵だと思いませんか?

スコトーマを外す事によって、自分の価値観や常識を変える事が出来ます。価値観や常識が多様な世の中において自分を柔軟に変えるスキルは大切だと思います。

そういった見えない部分に気付くヒント、これが裏路地には満載なんです。

スコトーマの外し方


心理的盲点は、「盲点」であるがゆえに自分では気付けません。ではどうするかといえば、意識して感覚を揺さぶってもらえば良いんです。

たとえば、この建物の非常階段。地震が滅多にないメルボルンでは、利用する時といえば火事が一番先に考えられる原因。木で出来ているのって矛盾しています。

相違を認識させてくれるものに触れる、これ自体が肝要な事なのです。


グラフィティアートはこういうものだ、という私のスコトーマを外してくれる作品たち。アートは、壁に描かれているだけではありません。オブジェ的なものもあります。構成されているパーツからして何なのか分かりません。


そう、私もこれを見た時にはみなさんと同じで「なんじゃこりゃ?」と思いましたが、これもれっきとしたアート。ワイヤーとリボンを使ってバスケット編みにしてあります。ベースはジュース缶のフタ。つかみどころがなく何だか不思議です。


こちらは石膏で出来たマスクで目出し帽をかぶっています。引っ込んだところにあった作品で、壁のいたる所をしっかり見ていないと見つかりません。目と口が妙にリアルなのでドキッとしました。


こちらも見つけにくい場所にありました。楽しさ(ミッキー)と殺戮(拳銃)の象徴のマリアージュ。しかも自然界では警告色である黄色の一色のみ。


グラフィティアートは壁だけに留まりません。こちらは網格子にテープで創作されたアート。万一撤去する場合でも簡単に出来ます。エコフレンドリーですね。

ステッカーアート


グラフィティアートは描かれるだけではありません。ステッカーになっているものもあります。A4用紙サイズのものからてのひらサイズまで様々。


それぞれメッセージが込められたステッカー。朝に弱い私は目覚まし時計のステッカーに惹かれました。時計は「時間」を示すという機能を離れて「今、起こす」という機能一点に集中してます。
最近はこういう時計、見かけませんね。


名刺サイズの小さなステッカー。鳥さんと猫さんのやる気なさ具合が最高です。


この建物の2階部分にご注目。壁紙の様に見えますが、はがき大のステッカーがタイル状に一面に貼ってあります。ステッカーアートもここまで来るとあっぱれです。ステッカー全部貼るのに一体どれだけ時間がかかったのでしょうか?そもそもどうやって貼り付けたのでしょう?謎は深まるばかり。

写真真ん中のふたりの女性は足のすらりとした長さが目をひきます。これは紙に白黒で印刷された紙が壁に貼ってあり、そこに色が塗ってあります。

まとめ

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路地裏の裏の裏まで散策していたら、三方を高層ビルに囲まれた薄暗い路地に差し掛かりました。ふと空を見上げるとそこには限られた空間だけに広がる青空。千利休の一輪の朝顔のエピソードの様に、切り取られているが故の美しさを見つける事が出来ました。

グラフィティアートを探す時には、あえて普段とは違った見方をしてみると、案外「ストン」と音を立ててスコトーマが外れてくれますよ。ぜひお試しを。

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