オーストラリアにもリニア新幹線が走る!? 2045年に向けた豪州の鉄道構想のニュースについてのココロ
オーストラリアの大地は広大で、東西南北のどちらの方向へ行くにしろ時間がかかります。
東端から西端まで4,100km、南北は3,180kmあります。ここまで広いと各州のサイズも大きくて移動時間を相当見込まないといけません。
メルボルンからすれば、国内のパースへ行くよりも国外であるニュージーランドに行く方は近いんですからね。
そして最近は人口増加に伴って街が大きくなり 人の移動も増え、空港の人員移動キャパシティーもそろそろ限界が見え始めました。そこで政府は次の一手を検討している、とのキュースが入りました。
今回はその次の一手、リニア新幹線にまつわる構想のお話です。
オーストラリアにリニア新幹線?
上の写真は、メルボルンの地元紙に載っていた記事。全体の半分以上をリニアモーターカーが占めています(笑)。
2011年の頃には既に新幹線構想が立ち上がっており、シドニーとメルボルンを時速350km/h の鉄道で結ぶ、というものでした。そこから5年経過し、今度はリニアモーターカーを視野に入れて来ました。
日本でもまだ営業運転していないのにリニアの構想をするなんで野心的ですね。オージーってそんなに新しいもの好きでしたっけね?
気になるお値段は?
日本で計画のある東京から大阪間 (397km)は総投資額約8.3~9.9兆円といわれています。気の遠くなる様な値段ですね。
一方、シドニーからメルボルン間(713km)は距離にして約1.8倍あります。車両はもちろん、日本の計画よりもずっと長い距離のレールや架線を準備するとなると相当掛かりそうです。
記事によると、新しい新幹線の停車駅周辺に新たな町を作り、20万人の住宅や雇用、その他を生み出す事によって費用を賄う、とあります。ん~本当にできるんでしょうかね?
オーストラリアの台所事情
天然資源に恵まれているオーストラリア。鉱山資源や畜産、農業製品の輸出国としてGDPでみて世界で17位を誇っています。
GDP(国内総生産)とは、国内の生産活動による商品・サービスの産出額から原材料などの中間投入額を控除した付加価値の総額。
オーストラリアのGDPは2015年度で1.6兆ドル。リニア構想にそのうちの2000億ドル(約16兆円)を使うといっているのですから、経済的に見ても国の舵取り的に見ても、そのインパクトは相当なものになりますね。
しかもこのプランは35ヶ年計画という事で、一度決まったら完成までに費用を捻出し続ける必要があります。私がオーストラリアに住み始めてからも、こちらの教育オンライン事業や電車の自動改札システムなど、大きな公共事業が費用的な面で二転三転した後、ひどい結果に終わる経緯を見て来ました。メルボルンの電車に乗る時の自動改札がめっちゃ遅いのもそのせいです。
そんな訳で、35年もキチッと規約を守って事業を進めて行けるかは、いささか懐疑的な目で見てしまいます。
まとめ
オーストラリアは日本に比べて平らかな大地だし山も少ないので、日本の様に長~いトンネルを掘る必要もないし移動距離が遠い分、リニアには適した条件ではあると思います。
メルボルンでリニアに乗れるのは「夢」がある話ではありますが、今しばらくは「寝た時にだけ見る夢」に留めておきましょう。
話のオチとしては、あと5年くらいしたら、国のお偉いさんが「真空チューブ列車を導入する!」とか言い始めそうな気がします。
したらね~。