電車の手すりに見る日豪文化の違い
自動改札の不調、ダイヤの乱れや運行の遅延などメルボルン住人にはあまり評判はよくありません。
公共交通機関を運営する会社は過去に何回か替わりサービスレベルの改善がなされつつあります。前回の選挙での公約通り、運賃が大幅に値下げされました。
黄色い線の内側どころか、でこぼこタイルの内側まで下がっているのはやはり習慣の違いなんでしょうね。
電車を利用していると、日本と違う点にあれこれ気付きます。
車幅は日本の通勤電車よりも広いのですが、2席のボックスシートが片側に、更に反対側もボックスになっており、床面積を相当とっています。
つり革があまりない事から見て解る様に、日本の電車の様な混み具合になる事は滅多にありませんが、それでも十分にギュウギュウになります。
スキンシップの多いオーストラリア人ではありますが、公衆で赤の他人のパーソナル・スペースに入るのは何とも居心地が悪いみたいです。
写真の一番奥には、自転車をそのまま積み込んでいるお客さんもいます。自転車は追加料金も必要ないので、自転車好きな方には有難いですね。
電車のドアです。ドアの左側にはドアの非常解放レバーと乗務員呼び出しボタンがあります。ドアの開閉はドア真ん中にあるボタンで行います。
そしてドア脇の手すりが無いんですね、これが。
flickr by Wally Gobetz cc
そしてこちらが日本の電車のドア脇の手すり。日本に滞在中、手すりをあれこれ観察してみました。
JR,私鉄、地下鉄のどの列車にも手すりが付いているのですがその手すりが床の方まで設置されている電車が殆ど。電車によっては床まで伸びています。
不思議に思い、実際にしゃがんで手すりにつかまってみましたが、赤ちゃんでもない限り、そんな低い箇所に手すりは必要ありません。
ご縁があって、滞在中に鉄道ムードの理髪店で散髪して頂く機会があり、駅長(店長)のわたなべさんにこの疑問をぶつけてみました。すると、さすが博学!こんな答えが帰って来ました。
電車が非常停止した場合、乗客が電車から地面へ降りなくてはならない時、
手すりが床の方まであれば、そこにつかまれるので安全なんですよ。
おぉ!この回答を聞いた時、思わず唸ってしまいました。日本でよく目の当りにするのが、この
そんな事もあろうかと思考
詰め将棋の様に、先の先まで考えて設置や行動するパターン。本当に素晴らしいと思いました。この手すりの一件は、それが端的に出ている例ではないでしょうか。
オーストラリアの電車と日本の電車。設計理念が全く異なる事で手すり一つとってみてもお国柄が出ているのは興味深いなぁ~と思いました。
もし皆さんが電車に乗る機会があればぜひ、改めて手すり、見てみて下さいね。