洗練された和食のフュージョンが楽しめるレストラン!意外な発見に溢れた料理たち @ Wa Kenbo

2019年1月16日

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最近アート鑑賞にハマっている はつ(@Hatsu_oz) です。

ずっと行ってみたいと思っていたレストラン、Wa Kenbo に念願叶ってやっと行くことができました。

アデレードでレストランを経営されていた伊藤けんじさん。満を持してメルボルンで新しい店舗をオープン。しかもただの日本料理ではなく、和食のフュージョンという事でどんな料理なのか楽しみにしていました。

最近のメルボルンは日本料理店が増えていて、それぞれのお店独特のクロスオーバーや融合をさせた料理が出てきます。果たしてけんじさんの手に掛るとそんな風になるのか?

今回はWa Kenbo の料理の数々をご紹介します。

まずはオードブルから

Wa Kenbo はFitzroyの落ち着いた通りにありました。

落ち着いた雰囲気の店内はとても居心地の良い感じ。ゆったりとした気分でメニューに目を通します。

しかしこの段階ですでに困った事になりました。どの料理も美味しそうだし、興味のそそられるコンビネーションだったりするんです。

勇気を持って選んだ料理たちはこちらです。

ウニを天ぷらにするというコンセプト

まず一番最初に来たのがタスマニア州ウニの天ぷら。

外はカリッと中はトロリ。うにの天ぷらって初めて食べましたが、サッと揚げてあるのでうには柔らかいまま。シンプルかつ料理人の腕が光ります。

アンコもなか? いえいえ中身は。。。

和牛のタルタルビーフ、らっきょう、糸こんにゃく、トリュフと黄身のソース、モナカ包み。

お次に来たのが タルタルビーフ。 サクサクのモナカの中に入っています。ビーフと糸こんにゃくとの相性も抜群。

ちょっと辛い風味が良ければ、下に敷いてあるわさびの葉っぱをちょびっとかじるというのもあり。

サラダとフルーツサラダの境界線

イチジクの田楽、わさび葉のドレッシング、ストラッキアテッラ(イタリア水牛のチーズ)、揚げひよこ豆。

世の中にはフルーツサラダと普通のサラダがあります。その線引きは一体どこにあるのでしょうね?

さてこのイチジク田楽、身の柔らかさに加えてタネのプチプチ感、 揚げてあるひよこ豆が軽くてサクサク、イチジクの甘さと チーズの持つ酸味、ドレッシングの ピリッとした味わいが素敵な一品でした。

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メインコースはお肉? お魚?

さて、ここからいよいよメインコース。

実はご飯も一緒に注文してメインと一緒に頂きました。お肉もお魚の料理もこれまた白いご飯が合うんです、ハイ。

一夜干し?メルボルンで?しかも日本の薬味と?

一夜干ししたホウボウの炭火焼き、ミョウガと三つ葉の酢醤油、胡麻和え枝豆、黒カブの浅漬け。

オーストラリアのレストランでは滅多に食べることができない魚の開き、しかも一夜干しにしてあるので身の旨味がギュッと引き締まっています。

付け合わせの酢醤油には、刻んだ三つ葉とミョウガが入っていて最後の方はお箸でそれらを取り出して魚と一緒に頂きました。

付け合わせの枝豆は自家製の枝豆。冷凍ものに慣れ切った私には、この枝豆のコリコリ感とゴマのドレッシング風味は最高のサイドでした。

一夜干しといえば割とシンプルな魚の調理法ではありますが、そこに奥行きを持たせ見事に贅沢な一品にまで昇華しています。

本当の贅沢とは何かを教えてくれるカモ料理

ほうじ茶でスモークされたカモ胸肉、首肉を使ったチョリソーソーセージ、シシトウ焼きの醤油漬け、クァンドンの酢漬け添え、山椒の実ソース。

このカモ肉は山椒のタレを使って絶妙な火の通り加減に仕立て上げられています。

お肉は同じものを食べて続けていると咀嚼感が単調になりがちですが、後ろにあるのがカモの首肉を使ったチョリソー(ソーセージ)があって変化を楽しみつつ食べ進めました。

クァンドン(白檀の実)はオーストラリア原生の木から採れたもの。独特の風味と酸っぱさがソースと良い対比になっています。

ソースはjusという表現でメニューに書かれていました。jusはフランス語、つまりはこのディッシュはフランス料理とのフュージョンなんですねぇ。ソースには山椒の実がふんだんに使われていて、メルボルンにおいてはこれこそが贅沢の極み。

デザートの部

そして最後にはデザート。甘党の私としてはどれを選ぶか至難の業でした(笑)。

青りんごはすっぱいけどバランスが大切!

青りんごのソルベ、ライベリーのゼリー、アマランサス、焼き黄桃、ブラックバーンはちみつ。

ライベリーはオーストラリアの海岸の熱帯雨林地域に生える木で、実はブルーベリーくらいのサイズのピンク色。ゼリーは味わい深い甘さ。

アマランサスは揚げてあり、プチプチした食感。中央の丸いものはソルベですっぱいのですが、ゼリー、黄桃、はちみつの甘さでバランスが取れていました。

究極のチョコバナナとは

抹茶とチョコ、中心が温かいプディング、バラのつぼみのデコレーション。

チョコケーキ中からホットなチョコクリームがトロッと溶け出して、それをバナナアイスのヒンヤリした感触と共に頂きます。

チョコとバナナから連想したのは縁日の夜店で目にするチョコバナナ。この話を後でけんじさんにしたら、これはけんじさんなりのチョコバナナへのオマージュなんだそうです。縁日のチョコバナナはチョコの部分に色鮮やかなフレークがかかってますが、それを連想させるものとしてバラのデコレーションを使用したとの事。

縁日に食べられるチョコバナナをここまで昇華させてしまうとは恐るべし!

シェフの熱い思いと新たなチャレンジ

シェフのけんじさんとのりこさん。わざわざキッチンから出てきてお話しして下さいました。

まず驚いたのは食材の多くは自分で賄っている事。たとえばみょうがやサラダの葉、枝豆などはご自分の家庭菜園で育てているそうです。

食材に関していえば、オーストラリアの原住民が食べていたフルーツを活用したり、こちらでは滅多に手に入らない日本食材を使ったりしていて、研究熱心なのがヒシヒシと伝わってくる事。

お庭には新しい食材をまだまだ育てている最中で収穫時期を待っている段階なんだそうです。今後もレパートリーが広がってゆくというのは楽しみ!

すでに確立していたアデレードのお店からメルボルンに新たなお店を出す。けんじさんのチャレンジし続ける姿勢はお話を聞いているコチラにまで勇気がもらえました。

はつのまとめ的感想

【Orchestrate】
 → 周到に準備する、オーケストラ用に編曲・作曲する

料理の一品ずつが手間を度外視して丁寧に作られているしフュージョンで日本料理の新しい境地を開拓しているなとしみじみ思いました。

このレストランの料理は一つ一つの素材に周到な準備と時間が費やされているのが見て取れます。それぞれの素材が持つ味わいをオーケストラのように調和させてできた料理を味わえます。

これこそが和食のモダンアートだなと実感しましたよ。

Wa Kenbo を訪れたなら食のアートをぜひ鑑賞していみて下さいね。

それではまた!

Wa Kenbo (ホームページ
69 Victoria Street Fitzroy Melbourne
火曜~土曜: 5:30pm – 10:00pm
定休日:日曜、月曜

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