なぜそこまで客を惹きつけるのか?バイロンベイからドマカフェ(Doma Cafe)を訪れてみた
何にもない町に突然あらわれるカフェ、そんなお店があったとしたらどんな所を想像しますか?
バイロンベイの近くにはそんな不思議なカフェがあります。しかも連日お客さんがひっきりなしに来るらしいのです。私も興味深々でこのカフェに向かいました。
車で牧場の多い地帯を抜け、くねくねした昇り道を進む事約30分、Federalという町にたどり着きます。
まちの真ん中には田舎町の象徴である、総合スーパー(General Store)があります。通常、町にひとつはこういったお店があり、スーパー、郵便局、酒屋さん、ガソリンスタンド、まちの掲示板など全てを兼任しています。さながら昔ながらのコンビニといったところでしょうか。
何もないまちにあるカフェ?
そんなスーパーの隣りにあるのがドマカフェ(Doma Cafe)。ユーカリやヤシの木に囲まれた中にそのカフェはありました。
朝一番で来たであろう初老のおじさま達が朝のひとときを楽しんでらっしゃいました。この写真、道路に車を停めた場所から写真を撮ったのですが、お店から離れた場所であるにも関わらず、お店の中の女性が元気よく挨拶してくれました。
お店の横にまわると、ゆったりしたスペースにテーブルが並んでいます。この贅沢な間取り、メルボルンではなかなか見られない優雅な空間ですね。ここを歩くとじゃりが小気味よい音をたてます。
オシャレな吊り看板。「Federal Doma Cafe Since 2012」と読み取れます。私はてっきりもっと昔からあるカフェかと思っていたのでビックリしました。
テイクアウトの注文は通りに面したところから出来る様になっていて、席に座ってお食事をしたときにはお店の横から入ります。
横からの入り口はふたつあって、ひとつは階段を上がるところ。もうひとつはその奥にあります。
奥の間口から入れる空間は板の間で、さながら日本の旅館の様に切り出し木材のローテーブル、ちゃぶ台、座布団が置いてありました。外にすぐ面したところに腰かけてみましたが、日本の縁側のような気分が楽しめました。
反対の位置から見たところ。上のテーブル席にあがる階段の手すりは曲がりくねった木を、その味をそのまま生かして使っているのがとっても良い味を出してます。
テーブル席についてメニューをみると、定番料理はもちろんなんですが、全てひとひねりが加えられていて、全て試してみたくなる料理ばかり。
ほとんどの料理がベジタリアンのオプションを選択できるのはうれしい限り。どんなものかは追ってご紹介します。
ラスティックな店内
店内はひなびた雰囲気をうまく醸しています。ペンキの壁やテーブルを、わざと荒削りにしてみたり、水飲み用のコップはアンティークに片足突っ込んだ様なホーローだったり。ディテールを見ていて飽きませんでした。
ラスティックの意味には「飾り気のない」という意味もありますが「田舎生活の」という意味もあり、まさにこのカフェにぴったり。
何は無くともまずはコーヒー。こちらのカフェは使い捨てのカップとお皿を使っていました。スターバックスでは、カップのお皿の「カチャカチャ音」をなくす為に紙コップにした、という話を読んだ事があります。
ホイップリコッタ、バナナとあずきフレンチトースト。今までインド風、ギリシャ風、ユダヤ風のフレンチトーストを頂いた事がありますが、本邦初!和のテイストのフレンチトーストを頂きました。全体的に甘い中で、いちごとミントの葉がうまく味を引き締めてくれています。
「ドマ・ブレッキー」は玄米を真ん中にして、スクランブルエッグ、コロッケ、ベーコンが楽しめる一品。
コロッケはサクサクでタルタルソースがまた美味しいこと!玉子料理にはうるさい私ですが、ここのスクランブルエッグはオムレツに非常に近いもので、しっとりとした玉子のおいしさを楽しめます。
玄米のキヌアのポリッジ(おかゆ)、果物たくさん、いろどりたくさんで見た目にも食感にも豊かな一品。
オフィスで良いアイデアを
個室になっているオフィス(?)兼トイレ。ドアの隙間からは外が見えるので、開放的な気分(?)で使用する事ができます。
昔から良いアイデアが出るのは三上と言われていて、すなわち「乗り物の上」「布団の上」「トイレの上」の事。いつもとは環境の違うトイレだと、いつもと違うアイデアがポンポンと出やすいかもしれませんね。
ちなみに私は三上に「風呂の上」をぜひ付け加えたいです。
まとめ
吊り看板、反対側から朝陽を望んでみると、壁に写った影は逆の逆になって、ちゃんとDOMAと読める様になっていました。さすが良く考えられてる!(のかな?)。
なんにもない田舎町でカフェを開こうと思ったオーナーさん、残念ながら訪問当日はいらっしゃらなかったのでお伺いする事が出来ませんでしたが、そのコンセプト、料理、そして何より「挑戦しようというガッツ」には敬服しました。料理はオーストラリアに迎合するのではなく、日本らしさがありつつもオーガニックやベジタリアンの良さの相乗効果を前面に出して、カフェの魅力をおし出していました。
単純に、素敵なカフェ、というだけに留まらずビジネスモデルとして学ぶ点の多いお店でした。
以下、カフェ情報です。
Doma Cafe
3-6 Albert Street, Federal NSW 2480
(02) 6688 4711