青いステーキは実在した! 極限までレアな焼き加減、ブルーステーキを食べてみたんですけれども。
オーストラリアの有名な食材と言えばオージービーフ。ビーフの豪快な食べ方と言えば、やはりステーキでしょう。私はステーキ好きなんですが、考えてみたらあんまり食べる機会に恵まれていません。一時期は本気でステーキ専用のフライパンであるステーキパンが欲しかったのですが今のところ、キッチン道具には加わっていません。
今回のお話は、ステーキのお話です。
青いステーキ? またまた ご冗談を (笑)
yoppy via Visual Hunt / CC BY
初めてブルーステーキという単語を耳にした時には、「もしかしてブルーチーズみたいに、腐らせてアオカビを繁殖させて独特の臭いを付けるの?」などと考えてしまいました。
基本的に青い食べ物が青、というのはあまり聞いた事がありません。例えばご飯が薄ピンク(お赤飯)でも黄色(サフランライス)でも黒(古米の黒もち米)でも問題なく食べられます。でも上の写真の様に青いごはんは何故だかそそられません。
そもそも自然界に青い食べ物が存在していないのが起因しているのでしょうか。せいぜい思い付く青い食べ物といえば、かき氷のブルーハワイくらい。ブルーベリーも、あれはよくよく色を見れば濃い紫なので青とはいい難いです。
ではブルーステーキとは何か。ステーキの焼き加減にはレア、ミディアム・レア、ミディアム、ウェルダンがありますよね?実はこれらの他に、レアよりもっと焼かない、ブルーというのがある、ということを聞きました。ステーキ肉の素材の味を堪能するのにはとても理想的な焼き方ではないでしょうか。
そんなわけで早速、ブルーステーキを食べに、ステーキハウスに予約を入れました。
重厚な装飾のステーキハウス
向かったレストランはグレン・ウェーバリーにあるSteak Ministry Bar & Grill。ここは電車の駅を降りてすぐの所にあり、大きな窓があるにも関わらず、コンクリの打ちっ放しの壁やコンクリブロック。ただ、騒音を抑える為か、床にはカーペットが敷いてあります。
レストラン店内のスペースは、大きなテーブルが多く並んでいました。きっと大人数で来て、ぶ厚いステーキをビールやワインでグイグイ流し込むお客さんが多いのかな~などと妄想してしまいました。
天井にはむき出しの空調と並んで、皮をなめす道具がモチーフとして飾られていました。ランプシェードもひなびた雰囲気で良い味を出してます。
上の写真の左上の方に並んでいるのは、赤ワイン用のデキャンタ。U字型をしていてとってもおしゃれなのですが、使った後はどうやって中を洗うんだろうかと、要らない心配までしていました。
各席のテーブルにはメニューが。ビーフがこの店のスペシャリティーでステーキの各部位ばかりでなく、穀物を飼料として育った牛か牧草で育てられた牛かといった種類まで選べました。
注文を聞きに来る前に、おしゃべりな気の良いウエイターのおっちゃんが本日のスペシャルミート、2種類を説明してくれました。これらを注文した場合、焼き上がってからは切り分けてくれて皆で頂くそうです。
ステーキの事を細かく説明してくれたおっちゃんは全てのステーキを自分で食べていて直実な食べた感想を元に説明してくれました。ステーキの話をするおっちゃんはすごく楽しそうで、おっちゃんのステーキ愛がつくづく伝わってきました。
上の写真の、おっちゃんの拳のサイズと比べてもらえればステーキの巨大さが分かってもらえると思います。右側のお肉の場合、もうステーキというよりはロースト用の肉塊と表現する方が近いくらいですね。
ちなみにこの肉牛は、お肉になる100日前までチョコレートを食べさせるんだそうです。肉牛にビールを飲ませたりマッサージしたり、というのは聞いた事がありましたが、チョコレートとはビックリしました。
気持ち良いサービス
テーブルセットアップはそれぞれのものがきちんと配膳され、もうこの時点でサービスの行き届き具合が垣間見えます。
このレストランでの食事中は、コップの水が少なくなればすぐ注いでくれましたし、スマホでステーキの写真を撮っていたら「お撮りしましょうか」と気を効かせてくれました。
スタッフはキビキビ動いているだけでなく、細かいところにまで目と気を配っていて、それも私のテーブルを給仕してくれた従業員はみんなそうだった事には驚きました。特にハッとしたのが、ワイングラスをお客さんに運んでいく従業員は全員、ひとつひとつのグラスを明りにかざして指紋や汚れがないか確認していました。
オーストラリアであっても、しっかりとした、行き届いたサービスというものはちゃんとあるし、そういった場に接するのは気持ちが良いものだという事を再認識しました、ハイ。
工夫してあるコップ
このレストランのコップは、ワインボトルを半分に切ったもの。グラスを持ち上げたときに、コップの底がヘコんでいて変なデザインだな、と思っていたらこれはワインボトルの底のヘコみ(ディンプル)ということがわかりました。コップの縁が不均等になっているのも、これまた味があります。やっぱりステーキハウスには無骨なデザインが合いますね。
ステーキを注文した後はじっくりと待ちます。ステーキが焼き上がるまでは多少時間が掛かるのでここは辛抱強く待つことにします。
続々登場するステーキたち
1番先に出てきたのが、Tボーン・ステーキ(650グラム)。運んで来てくれて、「こちらで切り分けましょうか?」と訊かれたのでお願いしました。確かにこの塊とも呼べそうなステーキは、自分で切り分けるには骨が折れそうです。
これが切り分けてもらった状態。切ってもらったそれぞれのピースでさえ、結構大きいんですが。。
Tボーンステーキの良いところはT字の骨の左右で違う部位のお肉を食べられる事。一粒で二度美味しいステーキです。
次に来たのが、アイ・フィレのステーキ(250グラム)。ちんまりとした感がありますが、何といっても厚さ、というか高さのあるステーキ。
写真左側にあるのはハーブを混ぜた骨髄焼き。骨の下にはチャツネが敷かれ、それと一緒に頂きました。
サイド・ディッシュも美味しい
ここのステーキメニューは、ステーキのみで何も付いて来ないので、別途サイドディッシュを注文する必要があります。
サイドティッシュの厚切りフライドポテトは表面がサクサク、中は熱くてホクホクしていましたよ。ここで忘れてならないのがオニオンリング。これまたカリカリしてて中の玉ねぎは甘いのでついついつまんでしまいました。
上の写真は細切りフライドポテト (New York Fries)。ボウルに山盛りで出て来るので、ボリュームのあるステーキを注文した際は要注意です。
さて、この時点まで注文したものが続々と出て来て、残るは待望のブルーステーキ。素人考えでは焼く分量が少ないステーキが1番最初に来るかと思っていましたが、さにあらず。期待が高まります。
ブルーステーキの秘密
さぁ、満を持して出て来ましたブルーステーキ!(スコッチ・フィレ 300グラム)
表面は想像通り、全体的な焼き目はほんのりついている程度。網状の焼き目はしっかりと付いています。
半分に切ってみたのが上の写真。早速いただきます。お肉はとても柔らかく、しっとりとしていますが、血が溢れ出す、という事はありません。
おっちゃんに、付け合わせのおススメを訊いたら「ハーブバターが美味しいよ」とのアドバイス。言われて通りにハーブバターを追加注文して一緒に食べてみました。うん、柔らかくてウマい!しかも表面の焼き味が良い仕事しています。
私の好みとしては、ハーブバターよりもおろし大根とポン酢がしっくりくるな~と思いつつ食べていました。後で思えばブルーステーキって、牛のたたきに酷似しているという事。そう考えれば日本人に合った焼き具合ですね。
まとめ
今、ブログを書きつつ画像を見ていたら鼻腔をくすぐる焼けたステーキの香りが思い出され、何だかおなかが空いて来てしまいました。
今回注文したどの部位でも油っぽさや臭みは全然ないので、ステーキの硬さや焼肉臭のせいでステーキを敬遠なさっていた方にもおススメのレストランです。
「青い」といえば青い珊瑚礁やら青いうさぎを連想してしまう様な年代の方にも、料理の内容やお店の雰囲気も含め、自信を持ってお勧めできるレストランですよ。
したらね~。
Steak Ministry Bar & Grill (ホームページ)