プレミアムな味わい、サックサクの美味しいクロワッサンはここで買える @ Lune Croissanterie
メルボルンには「壁の穴」と表するぐらいの小さい店舗だったクロワッサンのお店がありました。そんな小さなお店の頃からメディアを賑わせていたんですが、少し前に、カフェが軒を並べるエリアに新店舗を構えた事を知りました。ずっと行ってみたいと思っていたのですが、新聞のグルメ情報によれば数時間ほど列に並ばなくてはならないとあったので腰が引けていました。
今回、やっとそのお店に行く機会と時間的余裕に恵まれたので行ってみました。今回はそのお話をお届けします。
行列のできるクロワッサン店
表通りから一本入った横道。目立つ看板も出ていないお店ですが、脇道にも関わらず行列をなしているお店が目に飛び込んで来ます。
まるで倉庫の様な大きな建物。正面の大きなガラス張りには店名が大きく描いてありますが、それ以外は至って無骨。そんな建物に沿ってできた列に並びます。
私の前に並んでいたおねえさんはずっと携帯電話で話しながら笑い通しでしたし、後ろに並んでいたお兄さんはビジネス書をバリバリ読み進めていました。それぞれ思い思いの時間の使い方をしていて、並ぶという事にあまりストレスを感じていない様子でした。
ここで並んでいる人達は、全体として何だか幸せそうな雰囲気が伝わってきます。この感覚は、そう、ディズニーランドの中で味わえる独特な空気に似ていると思いました。みんなが同じ目的をもって幸福のひとときを共有する、いわば共通目的を持った仲間意識が働くのかな~などと考えました。
やっと建物の中にまで入れました。何だか不必要にだだっ広いのですが、今後、店内にカフェスペースを作るのだとしたら納得のいく空間の取り具合でした。
カウンターは間近に見えているものの、まだしばし待つのでした。。。
The Lune Labという研究所
ここのここのお店はザ・ルーン・ラボというものを事前予約制で催しています。何かというと、3種類の焼き立てクロワッサンが楽しめるコースメニューになっています。ラボと銘打っているだけあって、新種のクロワッサンが店頭に並ぶ以前にここで試す事ができる、という訳です。
こういった形態はパン屋でもない、カフェでもない、全く新しいスタイルのフード・エンターテイメントですね。
コーヒー注文の裏ワザ
列に並んでいる際に複数名いれば、コーヒーを買う事ができます。コーヒーはクロワッサンとは別カウンターですので、そちらでコーヒーを買って飲みながら列に並ぶ、なんて事もできます。実際、列に並んでいる人たちは結構な割合でコーヒーを買っていました(笑)。
ガラス張りの工房と天井の照明
お店の中央にはガラス張りの厨房があります。列に並んでいても見えますし、上の写真右側に並んで座っているラボ参加者からもよく見えます。
パン屋さんでもオープン・キッチンのところがありますが、ガラス張りにする事によって、衛生面を考慮しつつオープンキッチン同等に見通しを良くする試み、うまい事デザインしたな~とひとしきり感心。
ちなみに天井の照明は、スター・ウォーズのワープする時の光の筋がモチーフになっているとか。
早起きしてお店に来なかった代償
さあ、いよいよ私が注文する番がやって来ました!ここまで待つ事、何と55分!
石の大きなカウンターに置かれた今日のクロワッサン達。しかしここに来て想定外の事態が発生!列に並んでいた時には見えていたクロフィン(クロワッサン生地で作ったマフィン)だったのですが、何と売り切れ!射程距離内に入っていただけにこれは惜しい!以前、カフェでクロフィンを食べた時、すごく美味しかったからまた食べたかったのに残念。
仕方がないので路線変更して二度焼きクロワッサン(上の写真手前)も買う事にしました。
その他、「あと5分で焼き上がる種類が2つありますが待ちますか?」と聞かれたので二つ返事でお願いしました。ついでに「今まで一番並んだお客さんってどれくらいも待っていたの?」と聞いたら開店前に並んでいた人で4時間待ったという方がいらっしゃいました、との事。
クロワッサンは熱い食べ物
注文した品が揃うと、がっちり頑丈なダンボール箱に入れて受け渡してくれます。
ここのクロワッサンは回転が早いので、焼き立てでなかったとしても冷め切ってるという事はありません。現に受け取ったダンボール箱、底がほんのり温かかったです。特に焼き立てのパン・オ・ショコラ(チョコデニッシュ)とハム&グルュイエールチーズサンド(ピクルスが乗ってる)のものは、その場で食べ切ってしまいました。
この時に思ったのが、クロワッサンは熱い食べ物だという事。生地のベースであるバターの風味が生かされ、なおかつ外側の皮もパリッパリで、食べる毎にすごい音がします。そこら中にフレークが飛び散るのも眼中に無く、あまりに美味しいので、もうひたすら無心で食べ続けてしまいました。
ここのクロワッサンは、味覚と嗅覚だけでは飽きたらず、聴覚まで刺激して来る「音も食べるクロワッサン」なのでした。
焼き立てのふたつは、ひとつが甘くてひとつが塩味なので、交互に食べつつコーヒーで口を整えつつ食べ進みましたよ。
二度焼きクロワッサンとは
いわゆるスイーツ系のクロワッサンの事を二度焼きクロワッサン(Twice Baked Croissant)と呼んでいました。つまり普通にクロワッサンを焼き、更にトッピングなどをしてもう一度焼くので「二度焼き」と呼ばれるのでしょう。
上の写真はアップルパイ・クロワッサン。クロワッサンなのにパイとはこれ如何に。パイと名乗るだけあって、フィリングやリンゴのスライスなどは本物のアップルパイに比べて遜色のない味とボリュームでした。
上の写真手前はココナッツ・クロワッサン、奥はアーモンド・クロワッサン。両方共あいだにクリームが尻尾まできっちり入っています。ココナッツのクロワッサンにはココナッツクリーム、アーモンドのものにはアーモンドミールが入っているらしく、それぞれの味と風味がしっかりとしていました。
クロワッサンといえ侮るなかれ、1個食べてもズッシリとお腹に来ます。トッピングもさる事ながら、クリームの甘さが中近東のスイーツばりにあるのでコーヒーでバランスを取りながら食べるのをオススメします。
まとめ
パン屋さんであれば、いろいろな種類のパン生地を扱うのでしょうが、ここはクロワッサンのペイストリー1本で勝負しています。
一度食べてみると、どうして人々は並んでしまうのか、どうして高めの値段設定なのに飛ぶように売れるのかが分かると思います。
ここのお店に行きたい方、注意して欲しいのが、こちらのお店は週5日しか営業していない事。
時間に余裕があるときにぜひ訪れてみて下さいね。
したらね~。
Lune Croissanterie(ホームページ)
119 Rose St, Fitzroy
月木金 7:30am ~
土日 8:00am ~
(営業日&時間、2016年9月現在)