コーヒーはサードウェーブからフォースウェーブへ。Aunty Peg’sから見えるメルボルン・カフェカルチャーの方向性

2016年9月2日

紳士淑女がたしなむコーヒー、それを提供するカフェはどう進化してゆくのか?

メルボルンにはカフェ文化があり、独自の進化を遂げてきました。アメリカからコーヒーの黒船、スターバックスでさえ上陸したものの敢えなく撤退を余儀なくされるほど、メルボルン市民のコーヒーへの愛着とこだわりには相当なものがあります。そのおかげで美味しいコーヒーが飲めるカフェが更に増えつつあり、その全体的なレベルも上がりつつある現状で、これからどこに向かってゆくのでしょうか?

今回はそんな事も考えつつ、訪れたカフェをご紹介いたします。

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カフェ検索サイトNo.1の栄光に輝くカフェ


訪れたのはAunty Peg’sというカフェ。メルボルンでのレストランやカフェの情報ならZomatoというサイトが有名ですが、カフェ限定であればBean Hunterというサイトも名が通っています。このBean Hunterのサイトで、メルボルンのカフェ・ランキングの栄光ある1位に輝いているのがこちらのカフェなのです。

メルボルンには、お店の雰囲気とサービス(アンビアンス)、コーヒー、食事の三拍子揃った強豪カフェがたくさんありますが、そんな生き馬の目を抜くカフェ戦国時代のトップに躍り出たカフェ。いったいどんな所なのか興味シンシンでいたんですが、遂に訪れる機会に恵まれました。

バーという名のカフェ


事前学習なしにこのお店に入ったのですが、まずびっくりしたのがほぼカウンター席がだけだったこと。申し訳程度にテーブル席が端にひとつだけありました。

入り口付近でキョロキョロしていると、フロア担当のお兄さんが「ご来店は初めてですか?」と寄ってきて、お店のシステムを説明してくれました。

このカフェは、

  • スペシャリティ・コーヒーのバーで、お砂糖もミルクも置いていない
  • 使用するコーヒー豆は、その時のお勧めの3種類が置いてあるのみ
  • 1階はコーヒー豆のローストをする焙煎エリア、2階にはペーストリー工場

一通りの説明をきいた後はカウンターに座ってバリスタが渡してくれたメニューをみます。コーヒー豆は三種類、そしてアイスコーヒーもあります。てっきりコーヒーだけなのかと思いきや、紅茶や中国茶もメニューに載っていました。

バーでしか飲めないアイスコーヒー

このバーで出してくれるアイスコーヒーは、生ビールの様なタップから注いでくれます。トップの泡といい色合いといい、まるでビールのようです。日本の様にクリームもないし氷も入っていません。でも十二分に冷えているし、味は程よいビターさ。そこはかとなくシュワッとしているのは微量のガスが入っているからだ、とバリスタが説明してくれました。

不思議だったのが、アイスにも拘わらず最初から最後まで香りたっていた事。今まで飲んだ事のあるアイスコーヒーとは全く別の次元でした。


付け合わせで注文したチョコレートタルト。これが猛烈にアイスコーヒーと合うんです!その理由はまた後ほど説明しますが、タルトを食べてからコーヒーを飲むと、コーヒーの味わい具合がこれまた引き立つんです。スゴイ!

プアオーバー(ドリップ)コーヒーを飲む


私はお酒は好きなんですが、量はあまり飲めないのでパブやバーに行く事はめったにありません。でも、あの独特の雰囲気は好きなんですよね~。ここではそんな空気が楽しめます。バリスタさんの無駄のない動きを見ながらコーヒーが淹れられるのを待ちます。

出て来たのはコニャックを入れるようなまあるいグラス。明りにかざしてコーヒーを見れば、琥珀濃淡がはっきりと見えるのが粋。両手でグラスを支え、香りを楽しみながらコーヒーをすすります。この日のコーヒー豆はホンデュラス産。香りは非常に甘く、飲み口もシッカリしていますが、きつ過ぎずスッと飲める感じ。エスプレッソ抽出にありがちな、飲み進めてゆくと段々と濃くなってゆく、なんて事もありませんでしたよ。

メルボルンはカフェの飽和する街


メルボルンにはカフェがたくさんあるにも関わらず、どんどんと新しいカフェができています。人気のあるカフェは通常、やり手のオーナーがいて、二号店、三号店を出してゆきます。面白いのが、これらの店がチェーン展開する事はあまりなく、各店舗で名前もテーマも変えてしまいます。そんなカフェオーナーは、カフェに対する哲学は一貫していますが、そのアプローチを各店舗で変えて楽しんでいる、と私は受け取れます。それでも、どこか共通するレイアウトやメニューををあえて設けてあったりして、ちょっとした謎解きを楽しませてくれます。

このカフェバーは、Proud Maryというカフェのロースター倉庫を改造して作ったもので、本家のカフェとは様相が全く違います。

そうやって出来た質の高いカフェは、そうでないカフェを駆逐してゆき、より腕のあるバリスタが郊外へ進出してゆくのが見てとれます。その証拠に去年と今年だけでも高評価を受けたカフェが、より郊外部付近に増えて続けています。そうやってメルボルンのカフェは全体的な底上げが起きています。

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サードウェーブの先にあるコーヒー・3つのヒント


現在、日本でも流行っているサードウェーブのコーヒー、これが何かというとコーヒー豆の生産地からその取引が公正になされているか、鮮度やロースト、淹れ方にもこだわりをもったものの事を指します。メルボルンにはこれらの条件を必要十分に満たしつつ、更に上を目指しているカフェがあります。

1.尖ったサービス

こだわりのコーヒー豆。焙煎方法とそれにかける時間もこだわりにこだわり抜き、トップカフェは横並びになった、と、思いきや最近は更なるコダワリを見せているお店があります。たとえばコーヒー豆でいえば、どの産地、その農場、誰が栽培し、そして同じ農場内でも標高の違いによる風味の違いまで追及しています。

また、今回カウンターに座って思い出したのが、「ミシュランガイド」三­つ星を獲得した銀座の寿司店「すきやばし次郎」のドキュメンタリー映画、『次郎は寿司の夢を見る』です。この中に出て来るシーンで説明していたのが、カウンターに座るお客さんに出すお寿司は、お客さんが右利きか左利きかで出すアングルを変えるそうです。

そういった細やかな気配りを、メルボルンのバリスタがする様になり始めている、と思います。実際、このバーカウンターに座ってバリスタが一連のスムーズな作業でコーヒーを淹れるのを見るのは、ある種のエンターテイメントであるし、彼らの「コーヒーを淹れるアート」に触れる事ができます。

2.他の追従を許さないコンセプト


マンダリン(ミカン)カップケーキも勧められて注文したのですが、これはプアオーバーのコーヒー豆に合うケーキというコンセプトで作られたそうです。同じ建物内にペイストリー工場があるからこそ、コーヒーとケーキのマッチング、またコーヒーを理解しているパティシエさんがいるからこそできる創作ではないでしょうか。

こういったコラボレーションはしっかりした基盤のあるカフェ、もしくはコーヒーとスイーツに両方精通した人間がいないとできないので、付け焼刃ではとうてい太刀打ち不可能。
今後、こういった他ではまねのできないコンセプトを持ったカフェが増えるでしょう。

3.教育


メルボルンではコーヒーに関しての教育に熱心なカフェが多いです。ここのカフェバーだけではないので挙げるのですが、様々なカフェが色々なレッスンを催していて、コーヒーの淹れ方からラテアート、カッピングに至るまで手軽に学ぶことができます。

この様な教育こそがカフェ文化の底上げの原動力となるもので、教育を受けた人が多ければ多いほど、コーヒーの次元上昇が起こりやすくなります。

まとめ


メルボルンのコーヒーをフォースウェーブと呼ぶにはまだ時期がまだ早いのかもしれません。ただ、確実に次のコーヒースタイルの流れが来ていると感じています。

私が面白いと感じたのは、一部のトガった人達が、一部のトガったコーヒーを楽しむだけにとどまらず、教育という基礎を用いてメルボルンのコーヒーのレベル全般をあげようと各カフェが努力をしているという事実。みんなでより良くしてゆこう、という姿には感銘を受けます。

通常のカフェとはちょっと違った楽しみ方ができるAunty Peg’sはコーヒーの新たなコンセプトに触れられるお店なので、コーヒーと共に、サードウェーブの次に来るものの片鱗を味わってみてください。

したらな~。ゴインゴイン。

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Aunty Peg’s
200 Wellington Street
Collingwood, VIC 3066
Phone: (03) 9417 1333
auntypegs@proudmarycoffee.com.au
無休  8am ~ 5pm

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