プロブロガーとして生きるという事。前原和裕さんインタビュー・前編

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ブログを書いてそこから収益をあげて、時間や場所に縛られずに生活する、そんな生活って素敵だと思いませんか?

実は世の中にはそんなライフスタイルを満喫している人たちがいます。

以前にワーキングホリデー(ワーホリ)でオーストラリアに滞在し、現在は台湾でブロガーとして活躍している前原和裕(まえはらかずひろ)さん。前原さんがワーキングホリデーに関する電子書籍の出版に向けてメルボルンへ取材に来ているところを直撃インタビューさせて頂きました。

前原さんはワーホリの体験を彼自身のブログ『あしたはもっと遠くへいこう』で赤裸々に紹介しています。そのブログがご縁で私も前原さんの事を知りました。

果たして前原さんはどういった経緯でブログを書いて生活するようになったのか? 前原さんにとってブログの面白さとはどんな点なのか?率直な質問をいろいろ投げかけてみました。

今回は前原さんのインタビュー、前編です。

Q. 久々に訪れたメルボルンの印象は?

以前は「物価高いけどイメージ違ったよ」という様な内容が浅い記事しか書いていませんでしたが、久しぶりにメルボルンに来てみると浅かったのは自分自身だという事に気が付きましたね。多面的に物事を見られる様になりました。

ブログ記事を読んでいる人に対しても、私が思案していた内容を、もうちょっと深く掘り下げて考えられるようになったと思います。それは色んな記事を書いてきたおかげですね。こうしたインタビューを受けていてもしっかりとした自分の意見を確立できるようになりました。

プロブロガーになるまでの道のり

Q. パソコンについては詳しかったんでしたか ?

いいえ。まずWifiが何かさえ知りませんでした。

新しいもの好きで当時、iPhone3GSは持っていましたが、オーストラリアに行くことを決めてから色々調べたら「どうやらwifiというものがあるらしい」という事を知りました。自分のうちのルーター経由でwifiをつなげた時は感動しました。

パソコンに関しては大学時代からMixiとかで文章は書いていましたが、その程度。HTMLは知りませんでした。

Q. いつからブログで生計をたてようと思いましたか ?

そもそもブログで稼げる事を知ったのは2012年の10月ぐらい。ブログのワークショップに行ったらお金を稼げる事を知り、いずれはそういう事をしたいなと意識するようになりました。

本格的に始めたのは2013年の夏。フィリピン英語留学して台湾では10万円で生活できると知り 、それでブログにトライしてみようと思ったのがキッカケです。

Q. 2012年の時点は社会人?

いえ、その時は社会人を辞めてフリーターでしたね。その時点で海外に行こうと決めていました。

Q.その時、海外に出るにはかなり不安もあったと思いますが、どうやってその不安を払拭しましたか?

海外に出る不安以前に、公務員試験をや転職活動をする進路の方が不安が大きかったです。親とも喧嘩しました。

就職活動中、「自分を偽ってでも面接を通りましょう 」みたいなことを学校とかで平気で言われるんですよ 。深く悩んじゃいましたね。そんなことをしてまで生きている価値があるのか、と。

ブログ自体はその道で進むと決心していました。後はもうチャレンジするだけだといった感じでした。

Q. ワーホリに関して親御さんを説得したんですか?

はい。ある日の夕飯時、「ワーキングホリデーをしようと思う 。」家族に胸の内を打ち明けました 。父親はアッサリしていて「やってみれば?」と。「お母さんにもちゃんと説明するんだぞ」 と言われました。母親はその場にいなかったので、その後で正座して話し合いました 。

Q. お母様と話し合ってどうなりましたか ?

最初は分かってもらえませんでした(笑)。就職活動は自分の時間を無駄にしているような気がしてならない 、そんなことをしてまで就職面接をしたくない 、と 、泣きながらに説明しました。結局、説明はしたけど納得してはもらえませんでしたね。

Q.今も理解してもらえていない ?

いえ、だんだんと母親の考えも変わっていきました。

Q. それは根気よく説明して行ったからですか ?

親とは仲が良かったので 。。。私の説明の仕方も悪かったと思います。日本が悪いとか社会のシステムが悪いとか 、そういう説明の仕方をしていたんですが、それは間違っていましたね 。
結局自分がどうしたいのか で語るべきでした。

ワーホリに出発するまで1年半くらい準備期間があったんですが、母親が癌になりまして。その頃には「今まで頑張ってきたんだから 、海外に行ったら ?」と理解を示してくれました。

うちの兄弟は僕を含めて4人 。弟と妹が2人 。妹2人は普通に公務員試験に受かって 弟は私立高校の先生をしています。母は「ひとりぐらい自由にしてても良いじゃないの。」と。

Q. ブログで生計を立てられるようになったのはいつごろ?

2015年の10月。実はその頃、月5万円前後の時に「台湾に行ったほうが良いよ」と著名なブロガーさんに背中を押されて渡航を決意しました。自分ではずっと行きたかったのですが、なかなか踏み切れなくて。

オーストラリアから帰国後、半年間は貯金してました。言い訳の様に移住を先延ばししていました。でもオンラインコミュニティの先輩だった人に「なんで行かないの?」と。そこで頭の中の考え方が変わってきました。

その日のうちに台湾に家を借りる手続きを済ませて6月に日本を出ました。渡航してすぐに雇ってもらえたのは本当に感謝してるんですが、台湾基準の時給は400~500円だったので、この生活はキツいなと(笑)。自分が本来やりたかった事をやりたい、と記事に書き込んで10月にバイトをやめて台湾の台北から台南に移りました。

僕は頑張っては来たけど、まわりの人に恵まれていましたね。だから本当にここは勘違いしちゃいかんなと自戒しています。バイト見つけたのもそうだし、住む所も、台湾に行けって背中押してもらったのも、今、住んでいる台南のシェアハウスも、みんなのおかげ。本当に恵まれているなと感じます。

ブログについて

前原さんのブログ『明日はもっと遠くへ行こう』maeharakazuhiro.com

Q:前原さんのブログ、読者ターゲットは誰ですか?

25-30歳の男女問わず。会社で行き詰った人、海外でワーホリ出来る人に向けて書いていて、その時の成功例を見せたかったんです。

僕がブログや海外生活について調べたとき、始まる前から途中経過に至って「これくらい成功しました」という情報、そして海外生活が終わってからの事を見せていてくれるブログはネットに例がなかったんですよ。なので自分で書こうと考えました。

Q: 全て包括したブログを書くとしたら5ヵ年計画ですよね?

ええ、それは最初から計画していました。最初は2年ぐらいの計画で考えていましたが、
結果的に長くなっただけですw。ブログがものになったのが2年半かかりました。
最終的にワーホリ・コンプリート。そろそろ最終段階かな、と。

Q. ブログでWordpressを構築するに当たり、どこかで勉強しましたか?

いえ、独学です。インターネットの場、プラス仲間を作りました。ワークショップとかでブログを作る際、そこで知り合ったブロガー(田口くん)と一緒に勉強したり、セミナーに行ってブロガーの仲間と知り合ってそこで教えてもらったりしましたね。

100記事ぐらい書くまでh2タグを知りませんでした。最初は文字の変え方すら知らない有様でした。

Q. ブログを書き始めて「これはいけるぞ!」という手応えを得始めたのはいつ頃 ?

2014年2月のバレンタイン時期。台湾に行く前あたりの時期ですね。友人が台湾に遊びに来るというので、旅行案内の記事をかいて欲しいと頼まれて書きました。そしたら数ヶ月後にその記事へのアクセスが伸びて来たんです。
その時にワーホリの記事を書くよりアクセスが集まるので、こっちの方向へ行けば良いと思いました。

Q.それは狙って書いたのではなくて頼まれて書いてみたら反応が良かった、というのが面白いですね。

何が当たるか、アクセスが集まるかは未だに分からないものですね。

Q. キーワードからのアクセス解析などはしますか ?

たまたまヒットした記事、再現性があるからキーワードを深掘りしてゆく事はあります。

Q. ブログをスタートするにあたって参考にした事は?

Hibilog(リンク)の青木さんを参考にしました。固定ページ、カテゴリーページ、人生でやりたい100のリストあたりはぜんぶ青木さんの影響ですね。

Q. ひとつのブログの記事をかくのにどのくらい時間をかけていますか?

短いものだと2時間くらい。インタビューの様な長いものだと20時間ぐらいかかりますね。インタビュー記事は時間がかかりますが、突っ込んだ質問とかできるのでやっていて楽しいです。

Q. ブログのサーバーはどうしていますか?

3つのサーバーを遍歴しました。最初はヘテムル。台南の地震の記事の時にアクセスが集中した時にダウンしてしまったので、ソバサーバーにお引っ越し。そこがサービス終了するというのでミックスホストに移行しました。

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ブログとプライバシーについて

Q. ブログ始めた当初から名前を出してましたか?

本を出したいという前提にあったので、名前が知られていた方が良いと考えの元に名前と共に顔写真も出していました。

逆に、差別化のためにはそれぐらいしないとダメ、という風に考えていましたね。

Q. 顔出しのメリットは ?

プチ芸能人感覚が味わえます。空港で知らない方から挨拶されたり、台北の街なかで信号待ちをしていたら「前原さんですか?」と言われて握手を求められたり(笑)。

ブログの顔出しに関してよく質問を受ける事はあるんですが、相当トガッたオピニオン記事を書いているのでもない限り、まぁ、ブログ始めた最初の頃は大人数に見られてないから大丈夫。

それよりも、例えばFacebookで顔と実名を出しておいているのにブログでの顔出しを心配するのであれば、危機管理の全体像を把握した方が良い気がします。

前原さんのブログの強み

Q.ブログが突き抜けた要因の自己分析をするとしたら?

まわりが良かったからですね。ブログセミナーに足繁く参加して、いろんな人と親しい関係になれてリアルに会える場で話を聞いたりとかしていました。これって他の人はあまりやっていないと感じます。

オーストラリアに滞在していた時に知り合ったブロガーとは「お互い、あまり稼げないけど頑張ろう」と励まし合ってました。それで情報交換したり。

僕はアドセンスが強かったし、他の仲間はホテルのアフィリエイトに強かったりして、お互い強みと弱みを教え合うとか。そういう環境をつくっていこうとはしていましたが、人に恵まれましたね。

吸収できるときにできるだけ吸収しておく。ノマド節約術の松本さんにお会いした時はいろいろ話を聞かせてもらって、せっかくのチャンスという時があれば聞いておかないともったいないですよ。

台湾系の記事でアクセス数が伸びたけど、自分の失恋記事でまわりから認められるようになった。

そういった自分を表している名刺代わりの記事があると良いですね。作ろうと思って作れるものではないかもしれないけど、色んなテクニックを駆使して記事を書くよりは、突き抜けられるじゃないかな、と思います。心を動かすようなブログ、そいう所に力を注いだ方が良い。

記事を書くときにネットにある情報を拾ってきちゃダメ。大切なのは現地の一次情報。自分独自の立ち位置からブログを書くのが大切。

Q ご自分のブログのイケてるところは?

失敗を晒しているところ。読者さんからのフィードバックで気付きました。読者の方にお会いしたときに「僕のブログのどこが良いですか?」と思いっきり色んなところで聞いて回りました。

逆にひとをディスったり(誹謗)した記事は「それ、違うんじゃない?」と言われて猛反省したり。

ブロガーズフェスティバルのライトニングトークで優勝はしたものの、どこらへんが聞いてる人の心に刺さったのか分からない、フィードバックがないのは辛いですね。

調子良い時はみんな褒めてくれるけど、失敗した時の方がわかりやすいです。成功した事はわかりにくい。

Q. ブログの記事を書いていて気をつけている事は?

ずばり、読みやすさです。面白い記事を書きたいという人はたくさんいますが、「面白さ」の基準は人によって違うじゃないですか。だから同じ記事でも人によって面白いと思う箇所は違います。話の中で突っ掛かりがないか、句読点の打ち方はコダワリます。読みにくい文章は誰が読んでも読みにくいんです。

写真は自分で撮ったものを使うようにしています。そこに行って撮った、という価値がありますから。そこでフリー素材の画像を入れるとウソくさく見えるし。ヘタでも伝えるメッセージ性が違うと思うので自分が撮ったものを使い続けています。

差別化でいえば、例えば海外在住者の方は家を出て写真撮るだけでも日本とは違ったものが撮れるので、それは強みですね。

 

Q. ブログをやっていてしみじみと良かったと思える事は?

人間関係や友達。大人になってからでも仲の良い友達ができる、それってやっぱりブログの良いところ。

ブログ仲間には凄い人がいる。例えばさがやんは恋愛マスターだし。お互いのメリットのある関係、ギブ&テイクできる。普通にはできないですね。

Q. ブログってパソコン上なので、人間関係って希薄っぽいイメージがあるのですが?

SNSやセミナー、イベントで繋がりますね。僕は積極的に参加する方なので、そういった場所での蓄積が大きかったです。

まとめ

いかがでしたか? 普段、何気なくいろんな人のブログを読んでいますが、それぞれの人がそれぞれのドラマを繰り広げながら書いているというのは、なんとも可不思議な気がします。

これで前半は終了ですが、後半では更に突っ込んだ質問をしていますのでお楽しみに。

それではまた!

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