メルボルン・スタイルのカフェを沖縄で体験したいならこのお店! @ 食堂黒猫 in 沖縄
時にはなぜか大空に旅してみたくなる事はありませんか? 私はしょっちょうあります。
そんな時には思い切って行動するようにしています。なぜなら、そこには何かが待っているから。そういったインスピレーションって案外正しい事が多く、面白い出会いや体験が待っています。
そんな思いで向かった先は沖縄。実はずっと行ってみたかったものの行けずじまいで今になってしまいました。
そして沖縄にはメルボルン・スタイルを貫き通しているカフェがあります。実は今回、沖縄に行こうと思い立ったのもこのカフェに一因があります。
ずっと気になっていたカフェ、ようやく行く事ができました。
今回は沖縄にあるカフェ「食堂黒猫」を訪問したお話です。
食堂黒猫への行き方
沖縄には電車が走っていないのですが、その分、モノレールにも乗れーるんです。
始発駅が那覇空港駅で終点は首里城駅。食堂黒猫に行くにはモノレールが便利。儀保駅から歩いて行けます。
モノレール路線の柱には全て番号が付けてあり、555番の柱の脇にある急な坂道を上がっていきます。
急な坂をずんずん登って行くと突き当りの手前、左手にありました!
看板は出ているのですが上の写真で見た通り、パッと見たところカフェはありません。それもそのはず、目的のカフェは建物の3階にあるのでした。
食堂黒猫のオーナーさんはメルボルン育ち !?
カフェに入ると、出迎えてくれたのはサキさんとクリスさん。
実はこのお二人、もともとはメルボルンに住んでいて沖縄に移住してカフェをスタート。
クリスさんはメルボルンでロースターとバリスタの技術を習得。サキさんはメルボルンでシェフとして活躍、幾つもの名立たるカフェでの働いていらっしゃいました。この二人が強力なタッグを組んでこのカフェを切り盛りしています。
カフェの雰囲気
カフェの調度品、カベ、床は木材を基調としてあり、とっても和みます。近年のメルボルンにあるカフェの流行りは白ですが木目調は私の好み。
幾つかのテーブルは学校の勉強机と椅子。ちょっとノスタルジックな雰囲気を醸しています。
誰が為にメニューはある?
メニューには料理が4種類。特筆すべきはその説明の長さ。とにかく長いです。
説明を読んでいくと作り手であるシェフの想いが伝わってきます。ここでしか味わえないものを更なる趣向を凝らして調理されているのがわかるのは嬉しい限り。ここで料理のひとつの解説をみてみましょう。
フルアロマ・パンケーキ
食堂黒猫オリジナルパンケーキに、レアチーズケーキスプレッド、沖縄さんぴん茶で作ったシロップに漬け込んだフランス洋梨、ベリーコンポート、ラベンダーチュイール、ローズトフィー、ぶどうフォーム(泡)を配した、どこまでもアロマ香る、華やかでどこまでも上品な一皿。豊かな華やかな見た目を楽しみ、香りでリラックスできる、そんなパンケーキに仕立てています。
メニューにある説明通り、「香りを食べる」一品で芳香の多重奏が楽しめるディッシュ。特にフォーム(泡)の香りとデリケートな食感には驚かされました。
トリュフオーランディーズ&マッシュルームエッグ
見た目の”ワオ” ファクターに幻惑される事なかれ、ひとつひとつ厳選された食材を使っているこちらの料理は味わいの深さが秘められています。
例えばオーランデーズソースにはブラックトリュフオイルが使用されているし、写真ではチョロっとしか見えないカンパーニュブレッドも自家製(二日間もかけて発酵させてる!)、松の実に至ってはピクルスにしてあるという徹底ぶり。
確かな味わいと繊細に掛け合わされた風味が素晴らしい逸品でした。
大窓の脇のテーブルから眺める外の景色は、これまた格別です。まるでルーフトップバーのような開放感。自家焙煎のコーヒー豆から淹れたフラットホワイトを頂きつつ景色を堪能。
そう、沖縄には開放的な空間が良く似合います。
カフェの一角にはロースターが鎮座しています。こういったマシンでのローストはパソコンと繋げてデータをやりとりするだそうですよ。何気にハイテクですね。
青い空、眼下に広がる沖縄の街と武骨なローストマシンのコントラストが何とも不思議な感じ。
メルボルン・スタイルを貫くという事の意味
メルボルンのカフェ・エクスペリエンスを日本でも伝えたい、そんな想いでカフェをスタートしたサキさん。しかしそのスタートは彼女の腕前を持ってしても波乱万丈だったそうです。
カプチーノやラテといった、自分の好きなスタイルのコーヒーを注文するのがメルボルンでは当たり前。ところが沖縄では朝食を注文したお客さんに「え?コーヒーは(モーニング)セットじゃないの?」と驚かれたそうです。確かに日本ではそういったカフェが多いので、メルボルン式はイチからの説明が必要になりますよね。
カフェを運営してゆく上で「もうやめようか」と思う事もあったそうです。でもサキさんが伝えたい事を主張するだけではなく、お客さんが何を求めているのかを原点から考え直したのをキッカケに良い方向へ進んでいったとの事。サキさんいわく;
伝わらないもどかしさ、圧倒的に足りない人数と時間に心が何度も折れそうになりました。
ただコーヒーや料理を作るのでは無く、どうしたら伝わるかを考え続け、個性を活かして最もお客様に喜んで頂ける形でお料理も珈琲もご提供させていただくため、2017年の4月からお店は週4日のみの営業を決意。本当に作りたい伝えられるもの作りをこうして試行錯誤して来た結果3年目にして、やっと新しいメルボルン食文化としての魅力と価値をお客様に理想の形で体感して頂ける様になりました。
お話を聞いていて、三方良し(売り手よし・買い手よし・世間よし)の理論と実践が上手く噛み合ったという風に感じました。
まとめ
お店の名前にもなっている黒猫さん、サキさん達が飼っているそうです。猫さんたちと写真を通してご対面(笑)。雑誌に載った記事を拝見しました。サキさんと黒猫さん達との出会いのストーリーも記事で読めます。
このカフェを訪れた感想としてはワクワクする空間であり、それでいてほっとするようなスペースだった事。リラックスしてその場にいられる、素敵な場所。
見た目も味も飛び抜けたカフェ料理と美味しいコーヒーを楽しみつつメルボルン・スタイルのおもてなしを体験したいなら、ぜひこのカフェを訪れてみて下さいね。
それではまた!
沖縄県那覇市首里赤平町2-40-1 3F
ゆいレール 「儀保駅」より徒歩10分
050-1300-3853
営業時間 毎週 金〜月曜日 9:00〜17:00
(ラストオーダー16:00)
定休日 火〜木曜日