メルボルンカフェ文化の核心はこのお店にあり。Crux & Co.で味わえる芸術品はこちらです。

2017年9月17日

スポンサーリンク


物事の肝要かなめ、一番大切な部分は「核心」といいます。

私はロッククライミングをするのですが、岩を登るルートの中で一番難しい箇所は「核心」といいます。面白い事に英語圏でもクライミングの核心はそのままの訳「Crux」と呼ばれています。

今回向かったのは核心という名のカフェ、Crux &Co.。2017年にオープンして、まだまだ新しいこのお店の噂を聞きつけて行ってみる事にしました。

カフェの立地にある2つの要素

お店の場所はメルボルン中心街からは離れた、ビジネスビルが立ち並ぶエリア。通りのお向かいには有名なカフェがあるし、近所にも軒並みカフェが営業している、いわば激戦地に乗り込んだかたち。

ここの立地はもうひとつ特徴があって、歩いて1分のしない場所にカーレースの最高峰、F1レースが開催されるアルバート・パークがあります。レースが無い時は一般に開放された公園で、中心にある湖にはミニヨットが浮かんでいたり、ピクニックやバーベキュー施設も充実しています。 (トップの写真)

また、カフェから北に向かって歩けばボタニック・ガーデン(Royal Botanical Garden)もすぐの場所。

そういったビジネスとレジャーの要素が相まった場所にCrux & Co.はありました。

北原 亮。その男、芸術的につき。

このカフェのヘッドシェフ、北原 亮 (きたはらりょう) さん。

日本とオーストラリアの有名なレストランやカフェを遍歴し、これまでの輝かしい職歴に付け加え、ご自身でもケータリングビジネスを手掛けていらっしゃいます。(リンクはこちら

北原シェフのinstagramページを拝見すると、どの料理も華やかでその料理の腕前と芸術性の高さが見て取れます。そんな料理を実際に食べられるとあって、今回はとてもワクワクしながらお店に足を運んだんですョ。

北原シェフ、間近の大きなイベントとしてはシドニーのディナーの催しで腕を振るうそうです。その内容というのは。。。

1990年代に一世を風靡したテレビ番組「料理の鉄人」。2017年8月に、あの料理の達人達がシドニーのオペラハウスに集って開かれる宴があり、サポートとして馳せ参じる予定だそうです。気になる当日のメニューも見る事ができますよ。(リンクはこちら

【参考リンク】 Iron Chef All Stars

忙しい中でもわざわざキッチンから話しに出てきて下さり、それぞれの料理の詳しい事を教えてもらえました。北原シェフに直接お話が聞けたのは何ともラッキー!

メニューの、とある不思議なこと


メニューは朝食パートとランチパートに分かれているのですが、面白いことにどちらも「オールデー メニュー」と書いてあります。つまり1日の中でいつでも注文できると言うこと。

ではなぜ、わざわざ分けてあるのか? この謎は後から気付いたのですが、定番メニューとしての朝食と昼食の区分やボリュームという事もあります。

実は「味付けの度合い」が違うという、のが大きなポイントでした。朝のものはライトに、お昼のものはもう少しドッシリとしてた感がありました。

カフェの内装


カフェに足を一歩踏み入れた印象は「とにかく明るい!」。最近のカフェにありがちなレンガの地肌のままの壁ではなく、壁も床も天井も明るい色。さらにそこかしこに置かれた植物の緑が和ませてくれます。

テーブルやイスも丸みを帯びたデザインで、柔らかさとぬくもりが伝わって来る感じですよ。

入り口のドアからして大きく、道路から車イスでのアクセスがし易いようなスロープになっており、カフェの全てにおける設計が、ゼロからデザインされてそれが細部にまで至っているのには驚かされました。ひとつひとつの要素が積み重なって居心地の良さが醸し出されているんでしょうね。

工夫を凝らした料理の数々

メニューを開いてみたら、まるで「読み始めたら止まらない小説」のように読み進めてしまいました。

料理自体は聞いた事があるものが多いのですが、それに使われている食材やソース、それらの組み合わせが初めて見るものばかり。頭の中で想像しても果たしてどんな味なのか? うまく思い当てる事ができなかったのですが、実際に注文して味わうのが一番手っ取り早い!というわけで料理をご紹介します。

スポンサーリンク

モンブランクリーム& 抹茶のパンケーキ

パンケーキは3枚重ね。日本では極厚のパンケーキが流行っていますが、私はこれぐらいの厚みの方が好きですね。表面のカリッと具合に対して、中のホワッと具合の黄金比になっていると思います。

このディッシュには;

  • モンブランのクリーム
  • ガナッシュ(チョコクリーム)
  • メープルシロップ

が付いてきます。それぞれの味付けを3枚あるパンケーキのベースにすればひとつのディッシュで三度 美味しい味わい方ができますよ。

この料理の隠れた名脇役はキャラメルポップコーン。焦げの苦味が甘みをギュッと引き締めてくれています。

北原シェフ 曰く 「このパンケーキは朝食メニューのものなので、甘さは控えめにしてあるんですよ。モンブランのクリームは、生クリームではなくマスカルポーネチーズがを使っています」と教えてくれました。なるほど、言われてみればモンブランのケーキと比べたら、このディッシュのクリームはとっても優しい甘さ。そんなところまでちゃんと考えられているんですね~。

ベジタリアン ・ マッシュルームバーガー

マッシュルームバーガー、グルテンフリーベジタリアンなメニューでありつつ趣向が凝らしてあります。

ベジタリアンのバーガーの場合、最近の流行りはマッシュルームをパティに使います。肉厚で直径がバンズと同じくらい大きなマッシュルームを1枚、焼いて挟んであります。ところが、このお店のパティは見た感じも食感もお肉のパティに凄く近くて驚きました。ベジタリアンメニューとて侮る事なかれ!

抹茶ブリオッシュ・バンに挟まれたマッシュルームのパティ。食べた時にほんのり感じられる、香ばしい風味と独特の食感。一体何なのか分からなかったのですが、その答はその後で北原シェフにコッソリ教えてもらいました(笑)。

サツマイモのフライドポテトは振りかかっている塩味とサツマイモの甘みが良いバランス。ザックリと揚げてあり、ぶっといのに外側のカリカリ感がシッカリとありました。

ハニーレモン・ルバーブのポリッジ(えん麦のおかゆ)

ほんのり優しい味。マイルドな口当たりと甘さは気分をホッとさせます。

ポリッジやミューズリー系のディッシュって量があるので途中で味が単調に感じられたりしてしまいますが、ルバーブやローストされたナッツの香ばしさで変化をつけることができました。

裏技として、パンケーキについてきたメープルシロップをちょっと垂らして食べてみたんですが、これまた優雅な甘さになってついつい後を引いてしまいます。

デート(なつめヤシ) & バナナケーキ

見た目の派手さはありませんが、思わず唸ったディッシュ。

リンゴのコンポート、バナナケーキは柔らか。盛られているバナナスライス、実はフリーズドライされていて、サックサクなんですよ。そしてナッツのカリッと感。エスプレッソ・マスカルポーネ と オレンジコニャック・カラメルソースが、味わいに深さをもたらしてくれます。

そして驚かされたのが、口の中でパチパチと弾ける飴が振りかけられていた事。小さい頃に食べていた「ドンパッチ」を思い出します。

見た目とは裏腹に、味、食感、遊び心にまで溢れた逸品なのでした。

まとめ


残念ながら、今回はデザートまでおなかが回りませんでした。次回はじっくりとスイーツとコーヒーを堪能しに行きます。

空間、料理、ホスピタリティーの全てがハイスタンダードで「もう一度訪れて他の料理も食べてみたい」と思わせるカフェ。Crux & Coは掛け値なしにオススメです!

カフェでブランチやランチを食べた後、天気が良ければお隣りのアルバート・パークで湖畔を散策すると腹ごなしにもなるし、気分が良いですよ。

それではまた!

The Crux & Co
ホームページ instagram Facebook
G01, 35 ALBERT RD MELBOURNE VIC 3004
月~金 7:00 am  – 4:00 pm
土~日 8:00 am – 4:00 pm
ラストオーダー 3:00pm

by カエレバ

 

スポンサーリンク