自分の内なる恐怖と対峙する!恐怖症ストリートアート展「PHOBIAS」に行ってきました

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メルボルンの街路樹はだいぶ色づき、小さい秋どころか冬の足音まで聞こえてくる時期になりました。

それでもまだコスモスが咲いているのを横目に、中心街を歩き回りたくなるような小春日和に恵まれる日もあります。

さて、メルボルン中心街といえばグラフィティアートが有名ですが、そこはアートの街、メルボルンだけあって、他のアートの展示もあります。

今回はちょっと変わった趣向のアート展示を覗いてみました。しかも恐怖症にまつわるアートです。

はたしてどんなアートなのか? ご紹介していきましょう!

フォビアズ と名付けられたアート展

今回、訪れたのはPHOBIASと呼ばれるアート展。Phobiasは日本語にすれば「恐怖症」。そしてさまざまな写真家が多々ある恐怖症のひとつをテーマにして作った作品がLangs Lane の小路のカベに展示されています。

このアート展を通じて恐怖症の啓蒙と認知を広めよう、という意図があるそうです。

日々の生活に影響が出ないまでも誰でもひとつぐらいは恐怖症を持っているもの。私の場合は集合体恐怖症(trypophobia)ですね。これは小さいブツブツの集合体に対する恐怖症で、蓮の花が枯れたものなどがそれにあてはまります。

さて、このアート展ではどのような恐怖症が採りあげられているか、みて行きましょう!

忘却恐怖症(athazagoraphobia)

忘れ去られる事に対する恐怖症。自分が覚えている事を忘れてしまう事に対する恐怖症かと思いましたが、自分が忘れてしまえばその記憶さえ存在していませんものね。

マリー・ローランサン 「鎮静剤」という詩に登場する様々な女の中で、一番哀しい女は忘れられた女とあります。

人間は記憶の生き物という表現があります。それからすると忘れられてしまうというのは存在しないに等しくなってしまいますね。哀しや。

人形恐怖症(pediophobia)

人形は人間に似ていれば似ているほど「不気味の谷」のせいで嫌悪感を抱くことがあります。特に日本人形は精巧にできているために怖く感じられるものがありますね。

とはいえ、人形恐怖症は万国共通のようですね。オーストラリアの赤ちゃん人形など妙にホンモノっぽくできているので恐怖の対象になりやすいのかもしれません。

閉所恐怖症(claustrophobia)

ドキュメンタリー映画のジャンルの中でも私の閉所恐怖症の血が騒ぐ (?) のが、水没している地下洞窟を探検するもの。狭い上に酸欠になったり岩に引っかかったりしたらどうするんだろうとヒヤヒヤします。

メルボルンには古くて狭いエレベーターが入っているビルもときどきあり、ゴウゴウと唸りながら私を乗せてくれているのはえも言えぬ不安感に襲われます。

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鳥恐怖症(Ornithophobia)

鳥に対する恐怖といえば、ヒッチコックの名作映画『鳥』がありますね。鳥の場合、集団で襲われると考えると怖いですね。

オーストラリアでは、繁殖シーズンを迎えたマグパイ(カラスに似た白黒の鳥)の巣の近くを通ると急降下して襲ってくるので注意が必要です。

サンタ恐怖症(Santa phobia)

こんな恐怖症もあるものなのかなと思ったのがサンタ恐怖症。説明を読むと、特に4歳以下の子供に多いそうです。

言われてみればどこの誰かも知らない人が勝手に家に上がり込み、奇異な格好をしつつ顔も半分ぐらいは帽子とヒゲに隠れてしまっている老人がいるワケですね。こりゃ不安にならないほうがおかしいぐらいです。

生き埋め恐怖症 (taphophobia)

これも初めて聞いた恐怖症でした。生き埋めにされる恐怖から派生して地下や洞窟などの閉ざされた空間に強烈な不安や恐れを抱くそうです。

ビクトリア州にはいくつかの洞窟があるのですが、そのツアーに参加した際にガイドさんがすべての電気を消した瞬間、手の先をも見えない漆黒になりました。万が一、そんな洞窟で迷子になったらと思うとゾッとします。

はつのまとめ的感想

上で紹介した恐怖症以外にも、まだまだたくさんの作品が展示されていました。恐怖症をどのように解釈して表現してあるのか、とても興味深い展示でしたよ。

この展示、サザンクロス駅から歩いて5分もかからないぐらいの距離のLang Laneにあります。開催期限がいつまでなのかは不明なので、興味がある方はなるべく早めに観に行くことを勧めます。

この展示を見ながら「自分が恐れているものは何だろう?」という事を思案しながら見るのも一興です。

あなたが心の内に抱えている恐怖はなんですか?

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