養蜂家の日常風景シリーズ ー 春の慣例行事、野良ミツバチ回収をしたよ

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南半球に位置するオーストラリアの季節は日本と正反対。これから冬に向かう日本とは逆にオーストラリアは夏へ向かいます。

今年は11月の中旬から下旬頃に掛けて蒔いた野菜の芽が出始めました。人間はつい暦で一年の季節を測ってしまいますが、野菜たちは暖かくなって来たのをおのずと知っていて、それぞれに適した時期に芽を出し始めるんですよ。

上の写真はゴボウの芽。うちの硬い粘土質の土を砕いて芽を出す力強さには毎年同じ風景でありつつも見ていてエネルギーをもらえます。

さて、養蜂家としての私はこの時期、少しばかり忙しくなります。もちろん自分のみつばち達の世話もそうですが、春から初夏にかけて連絡が入ってくる事があるんです。

それというのが野良みつばちを回収する事。一体、野良みつばちとは何か?どうやって回収するのか? 今回は友人宅に野良みつばちが現れたとの連絡をもらい、それを回収した話をお届けします。

春に出没する野良みつばちとは?

img_4002.jpg
ミツバチは春先になると新しい女王蜂を作ります。そして元からいた女王蜂は働き蜂を連れて新天地へと飛び立つんです。

飛び立ったのは良いものの、定住地が決定していません。なので上の写真のように蜂球(ほうきゅう)を作ってそこを仮住まいとし、その間に働きバチが定住するのにふさわしい場所を探して来た後に全体でその定住地へ移動します。

なので仮に庭先にこの蜂球ができていても、終日後にはいなくなってしまう確率がかなり高いです。

蜂球のみつばちは非常に大人しいです。上の写真の様に手で触っても刺したりしません(でもマネしないで下さいね)これはなぜかというと、まだ自分たちの巣が無いので、守るために身を挺して攻撃する本能が働かないからなんですね。何とも不思議。

ラッキーな事に、この蜂球はピクニックテーブルの下に集まっていて回収しやすい場所にありました。専用の蜂箱を蜂球の下に置いてドサッと蜂球を落とし入れます。

どうして働き蜂は嬢王蜂の場所が分かるのか?


これが回収用蜂箱。通常の蜂箱よりもスリムです。ピクニックテーブルがあった場所に蜂箱を設置し、テーブルはどかしてしまいました。

ほとんどの蜂は箱の中にいますが、定住地を探しに出ていた蜂達が次々と戻って来ます。もともとのピクニックテーブルが無くなっているのにも関わらず、大して迷う事もなく巣箱に入って行くんですよ、これが!

なぜみつばちの集団が蜂箱の中にいると分かるのでしょうか?


実は蜂球の中心にいる女王蜂が発する匂い(フェロモン)のおかげで集団がどこにいるのか分かるんですね~。

箱に入り遅れたみつばち達も、匂いに誘われて箱の中にゾロゾロと入って行きます。


15分も待てばこの通り。ほとんどのみつばち達が箱に入って行きました。

この後、入り口を閉めて回収は終了。

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まとめ

蜂球のなっているみつばちは大人しいとはいえ、養蜂家の人に連絡して回収してもらうのが無難です。オーストラリアなら「bee swarm collection (+お住いの都市名)」と検索すれば回収サービスをしてくれる養蜂家が見つかると思います。

もしおうちに犬や猫などのペットがいたら、みつばちに近付けない様にしましょう。

世界的に見て、みつばちの数は少なくなっています。その一因として農薬や殺虫剤が多用されている事が挙げられます。なので不必要にみつばちを殺す事はせず、蜂球を見つけたら養蜂家に連絡を採るようにして下さいね。

したらね~。

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