オーストラリアにはレディーファーストのマナーがない場合もある。実は〇〇〇ファーストだから
カラカラに乾いていたメルボルン、恵みの雨が降った後、洗濯物もよく乾きそうなカラっとした天気になり、思わず外に出たくなるような気候になりました。
この週末はちょうどF 1グランプリがメルボルンで開催されて中心街の方は随分と賑やかだった様子。
一方その頃、そんな騒ぎとは無縁だった私はメルボルンで一番大きいショッピングセンターでお買い物。色んなお店を見て回る中で思い起こしたことがありました。
それというのがオーストラリアでは、お店のトビラを開けて女性を先に通らせてあげるというレディーファーストがない、という事。
今回はそんなオージーの振る舞い、そしてその理由についてのお話です。
そもそもレディーファーストって何?
私が日本で学んだレディーファーストといえば、歩道では車側に男は歩いて女性を事故から守ったり、食事をする時は女性の席を引いたり、ドアは男が開けて女性を先に行かせてあげたりという類のもの。
しかし歴史をひもとけば、男性のために女性が先にアレコレするといった感じ。例えば;
境界の扉や門は男性より先に女性が潜り抜けて、魔よけや安全を確認する
ホールへは男性より先に女性が入場し、男性を出迎える
食堂では男性より先に女性が用意・着席し、男性を出迎える・待たせない
食事は男性より先に女性が終わらせて退出し、男性の食後の談話に加わらない
女性は男性より先に就寝し、貞淑を守る
女性は男性より先に起床し、朝の身支度を終えて出迎える
ウィキペディア「レディーファースト」より
しかしフェミニズム運動以降、女性を助けるべきという紳士のマナーとして使われるようになりました。
レディーファーストの使われ方が真逆になってしまうというのが不思議ですね。
オージー男性は女性に対してどう振る舞うのか?
カフェで頻繁に巡り合う状況なのですが、これからこちらがお店に入ろうというタイミングと同時に、お店を出てゆくカップルがいらっしゃいます。
そんな時、カップルの男性はお店のドアを開けて女性を先に通してあげます。そしてそれにとどまらず、こちらが入店するまでドアを開けて待ってくれています。
最初、これは男性が女性に対してだけするマナーかと思いきや、実は老若男女、一人でいてもグループでいても関係なくドアを開いてくれます。
ドアを開けて待っている相手が、例え小さな子供だとしても変わりません。オーストラリアに来た当初、このジェントルマンぶりには驚きました。
更には言えば、これって男性に限らず、女性もするマナー。つまりは、ドアを開ける側も男女関係が無かったというワケ。
子供はそういった男女からマナーを小さい時に覚え、大きくなったら今度は自分がドアを開いて待てるようになるのでしょう。
私もそれにならってドアは開けて待つようになりました。実はそうした方がお店への出入りがスムーズだし、お互い気持ちが良いですものね。
はつ的なマトメの考察
最近はジェンダーの平等や多様化がより一層進み、「男性だから」「女性だから」というステレオタイプの枠組みが少なくなりつつあります。
そこで重要となってくるのが核となる人間的資質。これは男女関係なくその人の本質からにじみ出てくるもの。
なのでこれからはレディーファーストではなくて「あなたファースト」ができる心の広さがキラリと光る、そんな世の中になってゆくでしょう。
そんな事を考えながらウィンドーショッピングを楽しんだ午後のひとときでした。